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Directed and Produced by
純谷吉松(Itoya Kichimatsu)


■2003年02月のニュース一覧
▼[2003.02.28]倫理
▼[2003.02.26]スパムの2月の現状
▼[2003.02.25]絶実の光
▼[2003.02.24]空気のように包まれて
▼[2003.02.23]直営店という分岐路
▼[2003.02.21]エミュ・ゾーン・バンプ
▼[2003.02.19]その,世界,こそ
▼[2003.02.17]ユメノインフラ
▼[2003.02.15]セガであった意味
▼[2003.02.13]Geek Gadget
▼[2003.02.11]心根の繋ぎ
▼[2003.02.09]嘘のなかでの方法
▼[2003.02.07]死の声
▼[2003.02.05]涙の後先
▼[2003.02.03]コミュニティの理由
▼[2003.02.01]交差点の風景

■2003年03月のニュース一覧
■2003年01月のニュース一覧


 
[2003.02.28]
  倫理


 ▼W3C会員のWebサイトで標準準拠はわずか6.5%(Impress INTERNET Watch)
  http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0226/w3c.htm


 なにが悪いことかを人に決めてもらって生きるなんて,どうしようもない生き方だ。その,人,が法であっても,行き過ぎた製品であっても,権力であっても。

 W3C会員組織のウェブサイトのうち,W3Cの規格に準拠しているサイトは全体の6.5%に過ぎないことがわかった。ブラウザメーカーのサイトの結果は,標準に準拠していたのはオペラ社だけで,マイクロソフト社AOL社アップル社はいずれも準拠していないことも確認された。

 実際のところ,ウインドウズのIEでちゃんと表示されていればそれでよいということ。ブラウザのレンダリングエンジンの数は一時期より少なくなった気もするけど,すべてのエンジンで表示チェックをするなんて面倒。いちばん使っている人が多いIEで調べてちゃんとしてればよいとして,他のブラウザで表示が変になってもそれは,その他のブラウザにIEと同じになってもらえばいい。たとえ標準と違っても,という感じ。

 ここでは別にMSを悪者にする気はないが,ブラウザの仕様が法であるなら,規格は倫理である。「ここで煙草を吸わない方がいいだろう」と思う人の倫理観に,ここで煙草を吸ってもよいという法があったとしたら,人はどちらに従うべきだろう。そのような法に対してどのように接するべきだろう。自分の情報を守ろうとする倫理(たとえばブラウザの履歴を人にみられたくないとかね,自分の楽しみを守ろうとする倫理(たとえば音楽CDを普通に購入して聴くとかね,それらが弾圧されつつある今を,人はどう生きるべき,なのかね。




 
[2003.02.26]
  スパムの2月の現状


 ▼「反スパム」に動き出す米DM業界団体(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0302/25/xedj_spam.html


 command+A,command+option+B,command+A,Delete。

 反スパムに動き出している団体のなかには,ダイレクトメールの業界団体もいる。同団体は連邦レベルでの反スパム法を成立させるべく,支援活動を行いたいとしている。スパム削減に効果があるかは疑問だが,詐欺行為追跡への手助けはできると述べている。

 マックOS X 10.2のメールソフトのスパムフィルターはよくやってくれている。思い返せばここ数ヶ月,スパムの文面をみたことがない。迷惑メールフォルダにたまったスパムは,1日に1回ぐらい,差出人にUser unknownを返してあげて,もしそれがまた返ってきたらごみ箱直行という流れ。つまりスパムの本文は見ずにすんでいる。

 問題は,差出人を偽ってスパムを送っていた場合,こちらが返したUser unknowメールが誰かにゴミメールとして届いていると云うことだけど,名義人詐称と云う罪になるならその方がスパム業者摘発の役に立つ。User unknowメールのクロスカウンターをやり合うこともあるが(^^ゞ,無駄な資源の浪費をさせられるプロバイダーにスパム対策をしてもらういい薬になるだろう。数カ月前と比べて,スパムが減ったとは云わないが,増加のペースは落ちている。未承諾なんたらとタイトルにつけましょう,というわけわかめな対策はどこいったんだ? というなかでもね。




 
[2003.02.25]
  絶実の光


 ▼オランダ企業「The Honest Theif」設立(Impress INTERNET Watch)
  http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0224/honest.htm


 日本にいたから捕まった,オランダにいたら無罪だった,という法に,「価値」などない。価値づけされる法など,あってはいけないのは,当然のこと。

 オランダに設立されたザ・オネスト・シーフ社は,独自のファイル共有サービスを開発するとともに,カザーをはじめとする世界中のファイル共有サービス企業をオランダに誘致しようとしている。オランダでは昨年3月,カザーに対しての著作権侵害訴訟で無罪の判決が出ている。

 間抜けな話だ。ぃゃ,オネスト・シーフがではなく,今の社会が,だ。イラクと北朝鮮を悪者にすることで成り立つ社会,または一部の人にとっては米国を悪者にすることで成り立つ社会。どちらにしても,エゴとエゴの中で,自分,または自分たちの国の優位性と正義性を示し合うことでしか成り立たず,それ,しか,ない。

 著作権にしても同様で,自分,そして自分の国の著作権だけが絶対であり,それに逆らうものはすべて悪であると云う論理。何百回でも繰り返しましょう。ネットワークでは,すべての情報は共有され,利用される。ウェブ上ですべてのテキストが共有され,利用されているように,自分の音楽や映像だけは別だという話は成り立たない。あなたがどう思おうと,すべての情報は共有され,利用される。別にオランダに移り住む必要などない。ネットワークにはネットワークの法があり,秩序がある。嫌なら出ていけ。そして,リアルという過疎地で,死に絶えればいい。




 
[2003.02.24]
  空気のように包まれて


 ▼ワイヤレス・ブロードバンドを急拡大? 『メッシュボックス』(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20030220303.html


 酸素ボンベのように特定の線に吊るされたようにしか利用できない無線など,たいして便利ぢゃない。吊るされる状態ではなく,包まれる状態,であるべき,まるで空気のような存在で。

 メッシュボックスを街中に十分な台数設置すれば,誰でも場所を選ばずにネット接続できるようになる。メッシュネットワークは,ブロードバンド接続を共有するが,デバイス同士で通信を飛ばし合うのでアンテナ塔を立てるようなインフラ整備も必要ない。

 ふと,自分の部屋でなんの気なしにiBookのエアポート(IEEE802.11b)をオンにすると,「YBBUser」というネットワークがみつかった。なんの気なしにネットワークに参加すると,インターネットにアクセスできた。もちろんうちは無線LANの環境は整えてないので,近所の誰かが無線LANを無防備に開放しているのだろう。昨日の夜気付いて,1日経った今もネットワークは変わらずにあるので,わざとやっているのか,気付いてないかどちらかなのだろう。ありがたいことで(^^ゞ。

 AirH"の共有を行ったとしても,共有していることでなにか不都合が生じるということは少ない。誰かひとりがよっぽどダウンロードに精を出すようなことでもしないと帯域が狭くなるのを実感することはない。ブロードバンドの共有ならなおさらだ。つまり,街中の各所にメッシュボックスが設置してあれば,ホットスポットを探してうだうだ歩くこともないし,必要ないコーヒーも飲まなくてすむ。本気でやる企業があるのなら,エリア内のどこででも接続できると謳って定額の料金を取ればいい。本来であれば,行政が進めて整備するべきものだが,まぁそんな頭は持ち合わせてないだろうからね。空気のように,ネットワークは常にあるべきだ,当然。




 
[2003.02.23]
  直営店という分岐路


 ▼米アップル、銀座に直営店(NIKKEI NET)
  http://www.nikkei.co.jp/news/main/20030221AT2F2003921022003.html


 アップルストアと直営店だけでいいのなら,削減できるものは多い。必要ないものはごみ箱へと。

 アップル社は今秋,東京・銀座に日本初の直営店を開く。直営店展開は米国に次いで2カ国目。同社は,一般消費者の取り込みに軸足を移している。

 米国の直営店の設計を担当している会社が,東京への直営移転設置を漏らしてから(MacRumors.comの記事)約1週間後の日経新聞の報道(公式の発表があるのかは不明。米国本社主導での直営店設置は,アップルジャパンが販売代理店としての立場からも用済みとなっている証なのかもしれないが,結局のところなんの手も打てず仕舞いなんだからさっさと消えてもらった方がいいのだろう。

 マック系のサイトをみていても,マック系の雑誌をみていても,既存ユーザーによる弛れ合い的な様相が強いものが多すぎて,新規顧客の取り込みへの足かせにしかなっていない。アップルジャパンの煮え切らない態度もそのひとつで,方針転換をさせようとしているアップル本社の意向に乗れていない。ネットワークの有効活用ができており,ある程度の資本力を持っているなら,日本支社に与えられる業務は最低限のサポート管理以外はいらない。デルのような割り切りの方が,よほど心地よい。




 
[2003.02.21]
  エミュ・ゾーン・バンプ


 ▼MS、Connectix資産の大半を買収(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0302/20/xert_connectix.html


 陶酔のエミュレーターは,消えるのか?

 コネクティクス社は,自社の資産の大半をマイクロソフト社に売却したことを明らかにした。売却された製品には,バーチャルPCのマック版とウインドウズ版が含まれる。

 メイン,というかこれ以外にまともな製品がないところをみると,これはコネクティクス社の終焉とみてもよいのかな? コネクティクスの存在感がもっとも際立ったのは1998年末ごろにリリースされたヴァーチャル・ゲーム・ステーション(VGS)の頃か。完璧な完成度のプレステエミュレータは,コネクティクスの独壇場の力を示していた。翌年2月のマックワールド・エキスポ東京の舞台では,スティーブ・ジョブズが舞台でVGSを披露し,夏には日本でVGSを発売すると息巻いていた(結局はソニーの提訴もあって実現しなかったが。マック版ヴァーチャルPCがMSの手に渡って存続できる可能性も少なく,現行のヴァーチャルPC 6がファイナルリリースとなりそう。

 違うハードウェアで違う環境を「完全に」再現する,というのは一部のソフトウェア開発者にとっては至高の喜び。グラフィック性能も,サウンドシステムも,もちろんシステム処理も,すべて別のハードウェア上でコードタスクだけで実現する なんて,ハード開発者への裏切り,しっぺ返し的な喜びがあるのは当然のこと。が,マイクロソフトが買い取ったのであれば,他ハード上への展開はなくなる(必要ないしね。このニュースは,切ないなぁ。




 
[2003.02.19]
  その,世界,こそ


 ▼オンラインゲームでの反戦デモと言論の自由(MYCOM PC WEB)
  http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/02/18/03.html


 その世界こそ,生きるに足る世界。生きるに価値なし世界から,見上げよう。

 現実社会で反戦デモが行われているなかで,オンラインゲームの中でも反戦を説く人が出てきている。ゲーム内でのタイアップ広告を嫌い,嫌がらせを行うユーザーもいる。バーチャルの世界での言論の自由が問題となってくる。

 オンラインゲームの中に現実を持ち込むのはつまらない行為かもしれない。人はリアルの下にあるワイヤードを生きるべきではなく,リアルを見下すワイヤードにいるべきだ。見下した現実の戦争に肯定か否定かなどたいした意味はない。もちろん,なにか訴えたいなら訴えていればいい。ただし,現実の話など,いつもつまらない。

 オンラインゲームの世界を,箱庭のなかで遊んでいるに過ぎないと考えているのであれば,間違いだ。現実の世界は元からあるものだが,ネットワークゲームの世界は作ることができるものだ。そして破壊することもできる。そのもろい土台の上でこそ,世界は価値あるものとなる。今日も新聞を読んでつまらない事件ばかりだと思うくらいなら,世界を作ることができる世界に,身を投じてしまえばいい,死ぬまで。




 
[2003.02.17]
  ユメノインフラ


 ▼電力線でブロードバンド接続が実現?(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20030213302.html


 ネットワークには夢がぶら下がっている。ならその夢に通じるユメノインフラを,信じたい。

 コンセントに差し込むだけでインターネット接続ができる,電力線ブロードバンド技術が実現可能になってきたとみる人は多い。ケーブルテレビやADSLとほぼ同じスピードでデータ通信が可能で,もし実現すれば一夜にして膨大な新規通信インフラが整うことになる。

 外出中にネットワークに接続したいとき,もちろんAirH"は持ち歩いているんだけど,ブロードバンドに慣れてしまうと,この遅さはやはりつらい。だが,利用できるホットスポットの数はあまりにも貧弱で探して歩くことなど無駄。最初から知っているところ以外にみつけることなどありゃしない。だが。

 コンセントがあればどこでも高速で接続ができる,なんて夢のような話だ。電話線のない場所だって必ずコンセントはある。携帯電話の電波が届かない地下だって問題ない。ついでにノートパソコンの充電もできるなら一石二鳥。もし東京電力などがこんなサービスを提示し,どこのコンセントからでもアクセスできますよと呼びかければ,一気に600万件を超えたというADSLの契約者数(Impress INTERNET Watchの記事)を上回れると思うがどうだろう。新規工事が全然必要なく,膨大なネットへの入り口が開かれる,実現して欲しいユメのひとつだ。




 
[2003.02.15]
  セガであった意味


 ▼セガとサミー、事業統合へ(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0302/13/njbt_02.html


 過去の反省をしてもなにも進まない。昨日の心配をしても明日は生まれない。けどね。

 セガ社サミー社は,今年10月を目処に事業統合する覚書を交わした。6月下旬の株主総会での承認を経て,10月1日に統合,統合会社の社長にはサミーの現社長が就任する予定。

 ぶっちゃけた話,サミーによるセガの買収。結局のところ,ドリキャスを捨ててからのセガはいったいなんだったのか? と感じさせるに十分なニュースとなる。不況の中で一定の成果をあげていたと云えるのかもしれないが,正直なところCEOの言葉だけが上滑りし,持ち前の開発能力を発揮できていなかった気がする。

 コンシューマーゲームにネットワークを持ち込み,そこに価値を見いだした功績において,セガは歴史に名を残す存在だと思っている。贅肉がつきすぎているような体質を改められれば,あのときのまま,今も存在できただろう。ナンバーワンになる必要などない,でも,ネットワークゲームの利点を知っている唯一のゲーム開発会社として生きていけたはずだ。いまさらな,話だけれど。




 
[2003.02.13]
  Geek Gadget


 ▼『マックOS X』にカスタムメイド・アプリケーションを広める新ソフト(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/Technology/story/20030212301.html


 アップル純正のデベロッパーツールなどより,よほどよほど,意味があるもの。OS Xの存在自体を変える,ここから始まる。そんなガジェット。

 カレイドスコープでインターフェイス革命に火をつけたアーロ・ローズ氏とグレッグ・ランドウェーバー氏が,コンファビュレーターと云うマックOS X向けのランタイム・アプリケーションを作成した。コンファビュレーターはウィジェットと呼ばれる小さなカスタムメイドのプログラムを動かす。JavaScriptやXMLの知識が少しあれば,自作のウィジェット・アプリケーションを作れるようになっている。

 多分,数年先までマックOS Xのキラーコンテンツは,コンファビュレーターになるだろう。もしかしたらカレイドスコープがそうだったように,OS Xの末期までそれは続くかもしれない。それほどのものと断言していい。コンファビュレーターによって,やっとマックOS Xは目覚める,のかもしれない。

 ウィジェットを[control]+クリックで「パッケージの内容を表示」すると,「.kon」という拡張子のファイルとPNG画像ファイルがある。画像はウィジェットの表示に使われているもの。「.kon」ファイルをテキストエディタで開くと,プログラムとは思えないXMLのファイルで,ものによってはJavaScriptのファイルがある。それだけ。おそろしいほどのシンプルさで,絶妙な心地よい小道具ができあがる。iTunes Remoteが今のところいちばん使い心地がいいかな(pic)。小道具なんだけどそんな言葉では表せない,清廉と洗練のガジェットよ。




 
[2003.02.11]
  心根の繋ぎ


 ▼自殺志願者が集うサイト:ある青年が「最後の1ヵ月」に残したメッセージ(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20030210204.html


 すべての装いも繕いも飾り気もなくていい。すべてを捨て去った心根だけでいい。

 マイケル・ベンジャミンズさんは,自殺志願者が集うオールト・スーサイド・ホリデーに自殺2日前に長いメッセージを投稿した。「最後の1ヶ月間に友達になってくれたアシャー(同サイトに集う人たち)に感謝したい。反響を恐れずに,自分の気持ちや計画を話せた。みんなが心の平安と幸福をみつけられるよう祈っている」。

 過去記事。死を求める人に与えられるものはなんだろう? 生き甲斐を与えれば死ぬことをやめるだろう,などと云うのはおこがましい。理由もなく死を望んでいるんぢゃない。理解できないものであっても,わけはある。心の底から死を望む気持ちは,生き続ける力よりも強い。

 身体ではなく心根でつながるネットワークは,だからそんな人たちの救いとなれる。表向きの表情や,繕いの気持ちではなく,心根だけをさらすことができる。それこそが,ネットワークの性分。人間が登場してからずっとあったその繋がりを具現化しただけに過ぎないが,だから死と向き合う,唯一の拠り所となれる,なれる。




 
[2003.02.09]
  嘘のなかでの方法


 ▼『CNNパロディーサイト』、本物と信じる人が多すぎて閉鎖(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20030204203.html


 新しいパワーマックには,あれ,が付くとCNetが報じてます,よ?

 米国のケーブルニュースのCNNをパロディーにして偽のニュースページを作成するフェイク・CNNニュース・ジェネレーターが,CNNから著作権と商標侵害を申し立てる書簡を送られ閉鎖した。実際,同サイトの偽ニュースを信じて問い合わせが殺到することも多かった。

 記事にある類似サイトのフェイクトニューズが面白い。日本語は通らないけど,CNN,CNET,MTVのいずれかを選び,ニュースのタイトルと本文を入力すれば,そのニュースサイトのレイアウトの中に入力したニュースが表示される(こんな感じミラー))。表示されるURLにアクセスすれば,誰でもそのニュースページをみられる。これなら日本語を通るようにして,asahi.comやzdnet.co.jpのテンプレートにテキストを入れるCGIは簡単に作れそうなので,誰かやってみては?

 ネット上から嘘が無くなる日など来ない。それは嘘ばかりが散乱している現実を見渡せば,当然のことだとすぐわかる。嘘のなかに本当があるのでもなく,嘘が本当になることより,本当が嘘になることの方が多い。テキストには必ず書き手の意志が入り込んでいるし,ニュースとて同様。真実だけのテキストなどは存在しない。悪意や他意があるなら,余計悪質な嘘でまみれる。そういう世界だときちんと知って生きるのが,唯一の方法。




 
[2003.02.07]
  死の声


 ▼自殺志願者がネットで集う「自殺系」サイト(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20030206203.html


 自殺した彼女からメールが届いたのは,自殺の3日後のことだった。私を呼ぶその声は,求めていた導きに聞こえた。

 自殺願望を持つ者同士が,互いに相談し合うウェブページは多い。もっとも大きいオールト・スーサイド・ホリデーは,自殺方法を教えるガイドファイルを備えており,成功例として14人の自殺者を掲載している。

 10年ほど前に『完全自殺マニュアル』という本が発売され,未成年に販売しないようにするなど,いろいろと規制がされて話題になったことがあった。2001年の日本の自殺者数は3万1042人。ここ2年は減少に転じているが,不況のせいか,借金苦の自殺者の割合は増えている。さて,日本語の自殺マニュアルがネット上にあったとしたら,自殺者は増えるだろうか? 2ちゃんにでも「自殺」という板があったら,どれほど繁盛するものだろうか?

 自由に死ぬことを許さない社会は,不自由な社会だ。命は絶対の個であり,個が向き合うネットワーク上で知識や愛が語られるように,死について語られるのも当然のことでしかない。死への入り口としてあるネットワークは,そのまま死後の場所としての機能も持つ。ほら,ネットワーク上にいると,いなくなったあの人からの声が,聞こえる,でしょ?




 
[2003.02.05]
  涙の後先


 ▼Slammerが残した真の問題点と教訓(ZDNetエンタープライズ)
  http://www.zdnet.co.jp/enterprise/0301/31/epn14.html


 君の涙をぬぐうことはしない。気が済むまで泣いた方がよい。そして,涙を流し終えたら,僕が…。

 ワーム,SQLスラマーが登場して約1週間。当初のような爆発的なトラフィックは収まった。だがSQLスラマーは,セキュリティの原則では対応できない問題を内包していることもわかった。パッチが適用できなかったり,作業が複雑だったり,パッチによって問題が発生することも報告されている。また,ユーザーが気付かないうちにワーム被害を引き起こすアプリケーションをインストールしている可能性もある。

 感染したサーバーはとんでもない量のパケットを飛ばし,それによってみつけたサーバーからまたパケットを飛ばす。感染したサーバーの管理者にとってはコードレッド以来の惨事,なのだろうが,一般ユーザーにとっては全体的なトラフィックの停滞の方が大問題だった。その意味で,SQLスラマーの攻撃は,ネットワークの核心を壊す,過去に例のないものだった。

 毎度毎度,大きな問題が起こるたびにパッチを当てようとか,意味のないサービスは停止しようとか聞き,今回も記事にあるような付加的要素もいくつかあるけど,結局は同じ結論に達する。涙ならいっそぬぐったりせず,思うままに泣いて,気が晴れたら優しい言葉でもかけた方がよいが,ワームには涙を流し終わったらなにも残っていなかった,ということもあり得る。彼女の涙,と同じ対処ぢゃダメなのに,いつまでこの毎度毎度は続くのだろう?




 
[2003.02.03]
  コミュニティの理由


 ▼人気バンド『フィッシュ』、最新のライブ音源を配信する有料サービス開始(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/business/story/20030131107.html


 なんで金を払うのかなど,理由はひとつだ。

 ジャムバンドのフィッシュがライブ音源の有料配信サービスを始めた。フォーマットはMP3とSHN形式。ライブ音源を求めてコミュニティで交換などを行っている人は多いが,初心者には入手困難な場合もある。対して,このサービスは料金も手ごろで簡単だ。

 知り合いにこの記事で云うところのテーパーがいる。彼もライブ音源を集めるコミュニティにいくつか参加しているようで,なかにはチャットやIRCで頻繁に情報交換しているものもあると云う。Winnyなどでは一般的なファイルはわんさかあるが,ライブ音源などのファイルはあまりみない。なので特殊なコミュニティに入り浸ることになるようだが,相手に渡したり,受け取ったり,という作業は,ファイル共有ツールと変わらない,と云う。コミュニティが数人か,数万人かの差でしかない,と云う。

 同じ音楽の趣味の人も当然いるわけで,ライブ会場で出くわして2人で録音機材を持っていることもあるという。ライブ音源ファイルをあとで入手できるからと云ってライブに行かなくなるかと云うとそんなことは当然ない。そしておおむねコミュニティとはそういう集まりである。記事のフィッシュの話をすると,ライブ音源を売っていたら買うこともいとわないだろう,とも云う。観客席の1カ所で録音したものより絶対音はいいはず,というのもあるが,いちばんの理由は,好きだから,というそれだけ。好きだから集めるし好きだから買う。圧力をかけてコミュニティを壊すのは簡単だけど,好きだと云う気持ちも壊すだけだというのは云わずもがな。それは,CDを売るビジネスでも変わらない。




 
[2003.02.01]
  交差点の風景


 ▼Bill Gates氏に今週聞きたいこと(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0301/27/cead_coursey.html


 1日に1台しか車が通らない道ででも,注意が不足している人は交通事故に会う。スクランブル交差点だからと云って,毎日事故が起こるわけではない。つまりは,そういうこと。

 ビル・ゲイツ氏がセキュリティ上の問題を解決するようにと言うメールを社員に出してから1年が経った。先週のゲイツ氏のメールでは,2億ドルをかけてエンジニアにトレーニングを受けさせているという。だが週末にはSQLスラマーが襲った。パッチを当てないユーザーは多く,ウインドウズ・アップデートの利用も完璧ではない。

 アウトルック11で,HTMLメールがブロックされる,という記事はかなり笑えるのだが笑えない。デフォルトでHTMLを使用するようにし,ここまでHTMLメールを繁殖させた張本人がアウトルックだったからだ。いちいち社員のパソコンを回ってHTMLメールの設定をオフにしていた人も多いだろうに。

 ユーザーが望まなくてもバックグラウンドで勝手にパッチやサービスパックがインストールされる,というのも笑えるのだが笑えない。本当にそれを便利だと思っている人はあちらで話題のXupiterも簡単にインストールされる人だ(WIRED NEWSの記事)。環境を管理できない人は手厚く保護しても無駄だ。んぢゃあ解決策なんてないぢゃないかと思う人は正しい。よりこの世界が,生活の場として認知され,生きる場所と思われれば,逼迫感を持たれる。最終的にはそれが必要なだけ(MSには別な意味で責任がありすぎるけどね。




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